わらえるものをわらえるままにしておく。
笑えると思っていたものがあまり面白くなくなったり、見るたびに悲しくなったり、心が消費したりしまうことはあった。
部屋の中は熱されていない、そしてまだ新鮮な朝の空気で満たされていた。冷たい湧き水みたいな空気。
笑えなかったものを、それでも理解しようとし続けているうちにそれが生活の一部になっていた、ということはあった。
わらえるものをわらえるままにしておく。生きることは単純かもしれない。
好きなものを用意しておくこと。
いつか自分にも好きなものができるかもしれない、なんて甘いことを言っていられないほど追い詰められていた時、自分が好きなものは自分で作り出すしかなかった。わたしの好きなものはフランケンシュタインみたいにつぎはぎだらけで、だからつよい。気持ちだっていつか作り出せるようになるかもしれない。それも生きるのに必要な些細な出来事に思える。