fireHDのインプレッション

 電子機器が増えるたびに「めんどうくせえな!」という気持ちと「たのしみだな!」という気持ちと二つ我に在り。
 Amazonタブレットを買った。fireHD10plus64GBエッセンシャル(メモリ4GB)というやつで、現行のAmazonタブレット内ではおそらく一番スペックの良さそうなの。今のiPad(CPUがA13でメモリ4GBでキーボード無しで4万円のやつ)と迷ったけれどポメラ的なテキスト製造機としてそれなりに使えそうで、かつKindleがカラーで閲覧出来ればなんでもいいと思ったのでキーボード付きOffice付きで3万円くらいだったこれに決めた。タブレット単体なら1万円くらいで買えるんだけれどOfficeは自作pcの方でも使いたかったので、それを考えると「まあいいかな」くらいのお値段だったように思う。エントリーモデルのグラフィックボードが2万5千円くらいなのでそれを考慮したらむしろ安い。ポメラ(DM200)が2万7千円であることを念頭におくとなお安い。先輩の鯨飲会に出席すると一日で2万円くらい紛失(文字通り)するのでそれを思えば格安だ。価格の比較はそんなところ。
 まだちょっとしか触っていないけれど、この文章はfireHDで書けているのでポメラ的な使い方はクリアしているわけだけれど、純正キーボードカバーにはファンクションキーがついていないので、ボタン一発でカタカナにしたりローマ字にしたりということができない(何か方法があるのだろうか?)のが不便だった。キーの配列もバックスペースの位置が通常とは違っていたりで慣れるのに時間がかかりそう。でもまあ使えると言えば使える。買ってから分かったけれどfireHDには最初からWPSのWord的なエディタがインストールされていて、現在はそれを使っている(Amazonアプリストアからメモ帳ソフトもDLしてみたけれど保存領域がパッと見でわからなかったので使わないと思う)。Officeの必要はあまりなさそうだし、このタブレットで仕事をしようという気持ちにも全然ならない。Amazonタブレットはあくまで趣味の玩具という感じがする。玩具でよい。ポメラDM100をいつも持ち歩いていた身としては満足できる性能だと思う。問題はタブレットのストレージに保存したテキストをどうやってPCに移動させるかだった。僕は機械のことに詳しくないので、とりあえずタブレットmicroSDを挿してtxtを保存してPCにmicroSDを挿してカッペすることを考えた。プリミティブなソリューションで、もっとも信頼できる物理的な方法だった。でもこの方法はあとからすごく面倒くさくなる。面倒くさくなると、機器自体を使うのが嫌になってくるのは目に見えていた。次にメールでtxtを飛ばすことを考えた。タブレットOutlookから自分宛にメールしてPCからファイルをDLする。これってよく考えるとメールサーバをクラウドストレージにしているのだよな。昔からあるやり方だと思う。でもこれも結局面倒になりそうだったので、僕が一番好きではないクラウドストレージを使ってみることにした。
 僕は勝手にファイルを「同期」しようとする機械の挙動が全く好きになれない。Onedriveが特にそうで、ローカルに保存していたつもりが何故かOnedriveと同期していて、最終的に容量が不足しているので拡張しなければならないみたいな要求をしてくるところが嫌いだ。その同期を解除する設定が面倒くさいのも嫌いだ。dropboxは仕事で使っていたので嫌いだ。なのでAmazon cloud driveを使ってみることにした。なかなか良さそうだった。
  Amazon cloud driveの設定はネットでさらっと調べてもよくわからなくて色々と仕様が代わっているみたいだった。(Amazonアプリストアからは何故かインストールできないようになっていた)
 FireHD10ではユーティリティー>ドキュメント内にcloud driveがある。実行するとブラウザがAmazonに接続された。いつものAmazonのWebページ上にファイルをアップするイメージで、PCからも同様にAmazonのWeb上で接続できる。勝手にファイルを同期しようとする感じはないので、よい。古式ゆかしいアップローダみたいな感じだった。

 当たり前だけれどKindleはきちんとカラーで表示されたので満足している。これでようやく電子書籍バンドデシネが色付きで見られる。ペーパーホワイトを持っているのだけれど、動作がめちゃくちゃもったりしているところがストレスだった。文字を読むのにはたしかに最適だけれど、マンガや雑誌にはそれほど適応していない。FireHD10はでかいし重いしグレア液晶なので色々反射してあれなところはあるけれど困ることは無さそうだなと思う。動画はアマプラをHD画質で十分きれいに見られるけれど、ものすごくきれいなわけではない。動きが速い映像になるとちょっとじゃみじゃみする時がある。でもまあタブレットにそこまで画質を求めていないのでよいかなと思う。ちゃんと映像作品が見たいならPCの方で見る。
 ここまででポメラKindleペーパーホワイトの役割を完全に果たしており、また快適であるので、この玩具はとてもよいものであると僕は思っている。下町のナポレオンというか、貧者のiPadというか、駄菓子みたいな、そういうもの。文章を書きたいなら原稿用紙と万年筆でもいいし、本が読みたいなら単行本でいいし、映画がみたいなら映画館に行けばいい。でもそういうものをごちゃごちゃ集めて小さくまとめたこのタブレットは、やっぱりよい玩具なのだよな。

 

 

 

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えもかけました