充実した一日

 出勤。蒸して暑い。道端にでかいアザミが咲いている。太腿くらいまでの高さで迫力がある。アグレッシブな葉の形と大きく膨らんだとげだらけの花。あまりにも大きいのですこし怖い。一般的なサイズからはみ出たものは植物でさえ怖い。生き物としての存在感が強すぎる。
 仕事は平和だった。慣れない確認作業があり右往左往したけれど丸く収まる。Aさんが、麦茶と間違って紅茶を買ってしまったのであげると言った。遠慮したけれど結局もらった。昼食は会社の近所のいつものラーメン屋で、具材たっぷり大盛冷やし中華。暑いのでノーマルラーメンはもちろんのことつけ麺すらも食べられない。でも冷やし中華も好きなので問題ない。今年はカレーを重点的に食べようと思っていたけれどラーメン中心思考から離れられない。
 帰宅時、3駅歩いた。汗が止まらない。ラジオを聴きながら歩く。深夜の馬鹿力。いつ聴いても面白いことを話せるのって本当にすごい。よし痩せよう、とわけもなく考えた。ハンカチで汗を拭きながら朦朧としながら進む。通勤リュックの背中に取り付ける冷却材を装備しているけれどこれがなかなか働く。
 帰宅。風呂に入らなければと思うものの気力が尽きており、汗も引いていたのでそのまま2時間寝た。無性に焦って目覚めた。記憶していない夢の残滓が頭の中で重い。風呂を沸かして入った。youtubeでabemaプライムのネトゲ廃人と鬼女の動画を見た。ドキュメンタリーな話題をふんわりと仕上げた面白い番組だと思った。ネトゲ廃人の人は一日に20時間もゲームをするらしかった。それはまぎれもない才能だと思った。しかし本人が苦しんでいれば病気だし、社会が許さなければ問題となる。逆に言えば心身共に健康でやる気に満ち溢れた状態で毎日20時間ゲームを続けている人がいるとすればそれはとても幸福なことなのかもしれないし私はたぶん今もそうなりたい。現実的に可能かどうかは別として、月に行こうと本気で考えたから人類は月に行った。鬼女の人はSNSの情報から個人や住所を特定する活動をしていて、それはもう探偵の域だった。情報を雑誌に売ったりもしているらしい。やっていることは倫理的にどうかとは思うけれど単純にすごいと思う。その人は個人攻撃が目的ではなくゲームとして特定をしているのだと言っていた。その調査能力が趣味ではなく公共の利益に使われることがあれば、と夢想してわくわくした。それは結局探偵だ。
 心理学の勉強。あまり興味の無い章に入ったので苦痛だった。全然面白くないなあと思いながらなんとかテキストを読み進めた。その章で語られる内容があまりにもシンプルで、ほらほーよと思ってしまった。人間を叩くと痛がります、みたいな、身も蓋もない感じだ。しかしシンプルで直感的に理解できる内容だからこそ効果もあるのかもしれない。それでもうずっとずっと最初から考えていることだけれど、たぶん何でも話せる友人みたいな存在があれば、この世にはカウンセラーなんて必要ない。女性同士はお互いをケアする文化があるけれど男性同士はそういう相互扶助的な関係が希薄なので孤独になりがちですみたいなことをなんかで読んだ気がするけれどなんとなく分かる気がした。無論人によるとはいえ。
 ゲームを一時間やった。久々にやったので下手になった。あるいは下手になったような気がしただけで最初から下手だったのかもしれない。負けすぎて気分が落ち込んできた。今日はもう寝て明日は朝から映画を観に行く。楽しみだ。