秋葉原。
後輩2人、先輩1人。
今日が終わるまでに家に帰れないのが一番の問題。
時間に追われる電車の中でこれを書いている。
みっちり定時まで仕事した後、おなじみの綺麗め焼き鳥屋が満席で、すぐ次点のおでん屋へ。
おでんは最高にうまかった。しかも無限に食べてもいいおでんだったから、わたしは貧困とかをすっかり忘れていた。
わたしはおでんやポトフが異常に好き。おでんドープネス。
客が多過ぎて1.5時間で店を追い出されたのでアジア料理屋でさわがにの唐揚げなどを食べ、今年一番笑った。
ことしいちばんわらった。
こういう時間は必ず要る。つまり必要だった。
先輩がいつものようにそっと分裂し、後輩2人と夜の、ぎらつく秋葉原を歩き、余計なことはせず、ここが大事なところで、余計なことはせず、ゲームセンターに入り、わたしは後輩を格闘ゲームでぼこぼこにした。
後輩はものすごくとてつもなく笑ってしまうほどによわかった。よわい。よわいというか、ゲームにならない。ルールを知らない人のようだった。当然、悲しかった。当然、虚しかった。当然、わたしはなんとか楽しい空気を保つ為に、思ってもいない高笑いを、させた後輩を少し憎んだ。
そのあと、乱入してきた全くの赤の他人のベガに、わたしはぼこぼこにされた。
手も足も出なかった。1ラウンドも勝てなかった。非常に爽快だった。わたしはゲームをやっている間、ずっとひきつった笑みを浮かべていた。
楽しかった。勝てる気がしなかった。だってベガはしゃがみ強キックのあと、1フレームの隙もなく投げを出した。
気持ちのよい負け方をした。とても努力をしてきた人の、努力を感じさせる戦い方というのは、ただそれだけで私を強くするのだと知った。