休日のライン

 何もない休日。予定もなく、焦りも不安もなく、同時に喜びも楽しみもない空白。覚醒し、布団の中で震える。この世界のあらゆる物質が低温状態で固くなり、高温状態ではやわらかくほどけていくのはなぜなのだろう。しばし考え、結局それは物質のというよりも、物質に含まれている水分の振る舞いなのではないかと思った。ぬいぐるみにも霜が降りれば固くなる。窓際で電子煙草を吸った。空模様は冬の灰。すこし気が滅入る弱い光。流れていく自動車を見ながら、どこかへ行こうかと考えてみる。いつものように。それから5時間ほど、特に何をしたのか覚えていない。おそらくYoutubeを見ていたのではないかと思う。あるいはNetflixM-1を見ていたかもしれない。オードリーのオールナイトニッポンを聞いていたような記憶もあるけれど、曖昧だった。ひとつたしかなのは、トイレの掃除をしたことだ。床に粘着テープを転がし、殺菌シートで磨き、便器をハンドル付きのスポンジで磨いた。トイレは綺麗になった。そして、急に意識がはっきりとして、スカイリムをやり始めた。2時間のアラームをつけて。昨日に引き続き、また少しソルスセイムを平和にした。アラームが鳴り、布団に入った。布団の中で電池の切れかけた蟹を少し聴いた。太客の話が面白かった。その後で本を読み始めた。昨年末から読み続けているけれど、そろそろ読み終わりそうだった。先月のクレジットカードの支払額が気になり、アプリで確認した。それからいつもの夕食を食べた。布団に戻り、少し眠った。照明をつけたまま眠ってしまったので、目覚めた時、今日が7日なのか8日なのかわからなくなった。いつから眠り続けていたのか、わからなくなった。