レンタル電動キックボード『LUUP』 に乗ってきた。
最近、町の片隅になんか置いてあるなと思っていた。
電動キックボード、乗ったことがないけど面白そうだ。
色々調べているうちに、わりとすぐ乗れそうだということが分かってきた。
〇登録から乗り出しまで
スマホで『LUUP』のアプリをインストールする。
メールアドレス、キャッシュカードの登録が必要になる。
運転免許証を撮影して登録する必要もある。
それからものすごく簡単な道路交通法のテストがある。このテストは何回間違えても問題なくて、ぼくは押し間違えて2回失敗したけど大丈夫だった。粗忽者に優しい。
手続きが終わったら、アプリでLUUP設置場所を確認して、現場に向かう。
現場で借りたい車体を選択する。フル充電されているものを選ぶ。
アプリで車体に付いているQRコードを読み込むとロックが解除される。
返却場所を設定したら、あとは自由に乗れる。
〇印象
いわゆるキックボードに乗ったことがある人ならすぐに乗れるようになると思う。
ただウインカーの操作は少し慣れないかもしれない。バイク経験者ならすぐ慣れる。
けどバイク経験者はこの乗り物に惹かれないとも思う。バイクの方が速いし面白いと思う。
電動キックボードは遅い。最高速度15キロしか出ない。これはどれくらいの速度かというと、がに股でだらだら自転車乗ってるおじさんがいるでしょう、あれと同じくらいの速度である。
高校生が乗ってるママチャリより遅い。つまり相当のんびりの速度だ。
でもぼくはとても面白かった。すごく面白かったのでまたレンタルして乗ると思う。
電動キックボードは、移動手段には向いてないとぼくは思う。純粋に移動したかったらバスとか、レンタル自転車の方が断然早いし遠くまで行ける。
電動キックボードは遅いし、タイヤが小さいので直進安定性がないから大通りを走るのも避けたくなる。実際ぼくはびゅんびゅん車が走っている東京の大通りをあの電動キックボードで走りたくないなと思って敬遠した。
じゃあ何が面白いのかというと、これは自動散歩機械とでも呼ぶべき、のんびりするためのマシーンなのだ。
〇自動散歩機械
せかせかしないで、ちんたら走るのが好きな人がいる。ぼくだ。
周りをのんびり見渡しながら、時々は道端に止まってジュースを飲んだりしたい人がいる。ぼくだ。
真夜中に人のいない道をぼうっとしながら移動したい人がいる。ぼくだ。
どこかへ行きたいけど、特に行く宛がない人がいる。ぼくだ。
移動はしたいけど疲れたくない人がいる。ぼくだ。
風を切って進むのではなく、そよ風に乗って行きたい綿毛みたいな人がいる。ぼくだ。
つまり電動キックボードという乗り物は、ぼくのための物だ。
今の段階では、結構使い方が限定的だと思う。
しかし『東京の夜の迷路みたいな薄暗い小道にがんがん入ってひっそりナイトクルージングしたい』という人にはこれ以上によい乗り物はない。
静まり返った住宅街の薄暗い蛍光灯が続いているまっすぐ伸びる道をずっと進んだ。
真夜中なのにどこからか篠笛の音色が響いてきて幽霊が出るのかと思った。
大きい神社に出たので少し止まる。鳥居がオレンジ色にライトアップされていた。
小さい川を越えると急に視界が開けて自然公園に出た。
公園の横の並木道は、なんとなく寂しい気持ちがして良かった。
大通りに出そうになったらUターンして別な道を探した。
ヘルメットもいらないし、止まろうと思えばすぐ止まれるから危なくもない。
時速15キロしか出ないけれど、加速は速いので面白い。
バイクのようにうるさくもないし、自転車だけが通れる道にも入っていいので選択肢は多い。
レンタル料金は1分15円で、ぼくは初回にして1500円分乗った。
まだまだ乗っていたいと思ったけれど、軽装で出ていたので寒くなって帰ってきた。
今度はもっと遠くまで行こうと思う。
マップでよさそうな道を研究して、夜の東京湾まで行ってみるのはどうだろう。
それとも、大きい川沿いの広い道をゆっくり行くのもいいかもしれない。
でもやっぱり、何も考えずに暗闇から暗闇へ、ただ流されていった方が、この乗り物らしいだろうか。