雪が降ったり、寝ていたり

 昨晩はRDOを少しした。
 最近はインすると謎のエラーでアプリが落ちることが多発していたけれど、真夜中だった為か昨晩はそれがなく快適だった。
 痩せた小さな馬に乗ってランタンを手に山の中を歩いていると、火を吹く兎に会った。兎は火炎放射器のようにひっきりなしに火を吹いて走り回っていたのでたのしくなって追いかけた。バグなのかチートなのかはわからないけれど非常に興味深かった。火の兎はかわいい。
 それから貴族のような真っ赤なスーツを着たプレイヤーにチームに誘われたので参加した。二人でミッションをひとつクリアした。高レベルのプレイヤーだったのでミッションの攻略法を最初から知っており私はキャリーされるだけだった。もちろん一言も会話はなかった。極限までノンバーバルな世界だ。仕事が終わったあとゲームを辞めた。
 布団に入り、どこかへ行きたいなと思った。しかしどこへも行きたくなかった。
 何か欲しいなと思った。しかし何も欲しくはなかった。
 考えているうちに朝陽が昇ってきたので眠った。
 
 布団の中で目覚め、枕元に置いてある本を読んだ。
 本を読んでいる間にまた寝ていた。ということを六時間ほど繰り返した。
 無駄な時間だとも思われたし、ものすごく充実しているような気もした。
 陽が暮れた。
 スマホが震動したので手に取ってみると、出勤している同僚からで、仕事の質問だった。
 他愛ない相談だったけれど、同僚が悩んでいたので一緒に考えた。
 私に聞かれてもなあと思ったし、私に聞いてくれてありがとう、とも思った。
 休日の気分が無くなったので食事をした。
 服を着替えて外に出た。
 気温は2℃だった。
 
 雪のかけらが和紙のように薄く土を覆っていた。
 寒いけれど、耐えられないほどの寒さではなく気持ちがよかった。
 物体は熱くなるとゆるみ、冷たくなると固くなる。思考も。
 住宅街を貫く川のほとりを意味もなく歩きながらラジオを聞いた。
 光を避けて歩くと目に優しいので好きだった。夜に生まれたのかもしれない。
 今年はカレーを食べる一年にしようと思いついた。
 
 帰宅し風呂を沸かした。
 熱い湯に浸かりながらチ。を読んだ。
 知ることや、正しさと思われることに命をかけるっていいなあと思った。
 私は調べればわかるようなことをぺらぺら話してくれる人を遠ざけたいと考えているけれど、それは知識自体を否定しているわけではなく、そういう態度の人間を知的ではないと考えているからだ、と考えた。
 知識を持っていなくても知的であることは可能で、結局は自己中心的な人が嫌いなだけかもしれない。
 私はたくさんのことが知りたいと思った。
 今一番知りたいことは、カロリーゼロのコーラを飲んでも虫歯になるのか、ということだ。
 なると思う。