いつも読む本

 風呂に入っている時は『バーナード嬢曰く。』を読んでいる。
 読むようにしている。
 面白いマンガで、本・読書・文学・文芸などが題材になっている。テーマは人間。
 小説とかマンガとか関係なく大体どんな作品でもテーマは人間だけども。
 
 風呂に入っている時は、難しい本が読めない。
 読んでいた時期もあるが、ただ文字の上を視線が滑っていくばかりで、意味が頭に入ってこない。
 単純に湯が熱いからである。頭がぼうっとするし、疲れている場合には眠くもなる。
 また汗が目に入ることもあり、細かい字に目を凝らしているととても疲れる。
 そういうことがあってから、マンガを読むようにしている。
 私にとって風呂は、リラックスタイムであると同時に、マンガを読むことのできる時間でもあるのだった。
 
 ド嬢は、あるあるネタがメインのギャグマンガで、すごく笑えるわけではないけど、ほんのり微笑してしまう温度感で、読み始めると、大体その巻が終わるまで読み続けてしまう。
 キャラクターたちもゆかいだ。読書を巡るあれこれが描かれるわけだから、読書が好きな私としては、共感できることがたくさん書かれている。現在、電書で7巻まで出ているが、4人しかキャラクターが出てこないのも、なんかよい。それになによりも、このマンガで紹介されている小説が、ことごとく私の好きな本であることが、なんというのか、驚かされる。
 ド嬢で紹介された本を読むこともあったし、私が読んだ本がド嬢に出てくることもあった。そのたびに、この作者の方とは気が合うなあと思った。気が合う感性が作るお話なら、面白くないわけがない、といってもよいのかもしれない、と思ってしまうほどに、私にははまっている。
 
 私はこのマンガの5巻の「何月で切った?」のセリフがとても好きだ。なんとなく言っちゃったけど、今このタイミングで言うことじゃなかったなあみたいな感覚を、誰もが持っていて、そしてなんとなく忘れ去られていくことを、丁寧に描いているから、私も遠藤君と一緒にはずかしい気持ちになって、共有している。